4日目 長野(長野県)~ 酒田(山形県)
2025年4月8日(火)

旅は4日目、ここから後半戦に入ります。昨日の夜は洗濯物があったので、結局寝付くまで時間が掛かり、6時半の目覚ましには何とか反応したもののベットから起き上がれず。いや、起き上がりたくない。
苦手な朝のわずかな時間で食べられるのは、好物に限ります。私の場合アップルパイです。昨日長野駅のお土産売場で購入しておいたものです。
7:45発の列車に乗るので、急いで身支度を整え、駅に直行しました。今日も晴れてます。
駅に着いたのは発車の5分前。ここからはしなの鉄道に乗車します。ここから日本海側を目指すJR線は北陸新幹線しかなく、在来線はJRとは別のしなの鉄道に乗る必要があります。7:45発で妙高高原駅まで行き、えちごトキめき鉄道に乗り換えて、新潟県の直江津駅まで向かえば、再びJRに乗ることができます。したがって長野~直江津間は、別途切符を購入して乗ります。
かつてはこの区間もJRが運行していましたが、新幹線が開通したことで、在来線は各自治体が運営する第三セクターによって運行するようになりました。日本縦断を青春18きっぷのみ使用をする場合は、おそらく東京経由を選択するようになると思います。

長野経由を選択したのは、あまり行ったことがないところを通りたいのと、車窓が日本海側を通る方が良いと思ったからです。あと、できる限り青春18きっぷを使える区間を選ぶようにしたら、このルートになりました。
練りに練った計画ですが、あくまで机上の話。昨日までに溜まった疲労までは考慮できてなかったですね。
長野 8:05 ⇒ 上越妙高 8:28
ホテルから駅までの道中で体調のことを考えました。旅はまだまだ続く、根室まで無事尽きたいので、今日は無理をしないでおこうと決めました。

しなの鉄道に乗ることは諦め、北陸新幹線で日本海側まで出ることにしました。
もちろんお金はかかりますが、どちらにしても切符は買う予定だったと思えば悪くないです。
当たり前ですが、座席の違いは明らかで、腰とお尻に非常にやさしく、リクライニングできるなんて!と感動してしまいました。
計画してた時は、たびら平戸口駅をスタートしたら絶対に新幹線は使わないようにと決めていたのに、できなかった悔しさを感じながらも次第に座席の快適さの感動が上回り、どうでもよくなりました!
上越妙高 8:44 ⇒ 高田 8:52(えちごトキめき鉄道 交通系IC不可)

飯山駅からの長いトンネルを抜けると、妙高山の迫力ある雪景色が見えてきて、まもなく上越妙高というアナウンスが流れました。在来線で1時間半かかるところを20分ちょっとで着いちゃうんですから、新幹線のちからすごいわ。
えちごトキめき鉄道に乗り換えるため、一旦改札を出ます。別会社なので改札が分かれているんです。ICカードは使えないので、券売機で切符を買います。


目指すのは高田駅。上越市の中心地で、ここには桜の名所があります。乗車したのは元JR東日本のE127系で、えちごトキめき鉄道ではET127系と呼ばれています。車掌さんのハキハキとした点呼が印象的でした。

高田駅から桜の名所までは15分から20分ほど歩きました。住宅街を超えると急に現れます。さくら名所100選の地、高田城址公園に到着です。

お堀の脇に幾本の桜が植わって、雪山との対比が春の訪れをより際立たせる絶景。私の地元では絶対に見ることができない景色です。



高田城址公園はこの時期に約4000本のソメイヨシノが咲くそう。お城の規模は小さいながらも、規模に対して明らかに桜の量がとても多いと感じました。間違いなくここは日本でトップクラスの桜名所だと思います。
屋台も結構な数出店していたので、お昼が近づくと人が増えていきそうです。私が訪れた9時くらいだとすいていました。

実は予定より30分早く着いたので、じっくりと桜の写真を撮ることができました。新幹線で来て正解でした。時間が迫るも最後までベストな画角を探して撮ったのが上の一枚です。どうでしょうか?
高田 10:20 ⇒ 直江津 10:29(えちごトキめき鉄道)
直江津 11:01 ⇒ 宮内 12:27
えちごトキめき鉄道に再び乗車し、終点の直江津駅に到着。高崎からのびる信越本線と米原からのびる北陸本線の分岐駅として古くから鉄道の拠点駅です。北陸新幹線ができる前までは、特急列車が頻繁に行き交う駅だったんです。


現在でも特急しらゆき号が残ってますが、少数派で、普通列車が大半を占めています。長いホームを覆う屋根が国鉄時代の雰囲気を今に残しています。
ここから乗り継ぐのはJR東日本の信越本線。青春18きっぷの使用はここからです。ホームには新潟地区の新定番E129系長岡行が待っていました。
直江津から2駅先の犀潟駅までは北越急行線の列車も通る区間。小学生の時に「電車でGO!」のプロフェッショナル仕様に収録されていた路線で、ゲーム上では何度も見ていた景色。線路のカーブの感じとか森が見えてくるタイミングとか、リアルをしっかり取り入れてくれているんですよね。ここを通るのは人生で2回目。昨年初めて訪れたのですが、やっと来れたと思って、感動しました。広島県の住民にとって、新潟とか東北ってすごく遠くに感じる場所で、私にとっては憧れる場所です。
柿崎駅からようやく車窓に日本海が見えてきて、しばらく海岸沿いを走ってくれます。ちょっと曇ってるのが残念ですが…。

青海川駅は海に近い駅として有名です。今回はスルーしますが、絶対に降りて見たい駅の一つです。その時は晴れてたらいいな。

海が見えるのは柏崎駅手前までで、長岡までは山越えの区間になります。とある駅にはまだ雪が残ってました。
宮内駅で東京からくる上越線と合流して、列車は長岡に向かいますが、私はこの宮内駅で途中下車しました。お昼ご飯を食べます。
駅出て真正面に渋い食堂が見えてきますが、これは「青島食堂」という長岡ラーメンの有名店。昨年長岡に来たことがあったのですが、ご当地のものを全然食べられずに帰っちゃったので、リベンジしたくこの店を選びました。

既に5~6人が列を作っていたので並んでいましたが、後から来た方が券売機で食券を買って並ばれていたので、私も見習わせていただきました。列を並び直しましたが、回転が速いので10分かからないくらいで着席出来ました。

せっかくなのでチャーシュー麺の大盛りを注文。女性2人で20人くらいいる客を捌いていて、大変だと思いますが、一つも無駄のない動きで流れるようにラーメンを提供していってました。長岡ラーメンは醤油スープに生姜が入っているのが特徴だそう。ちぢれ麵がおいしいですね。生姜がメインという感じではなくアクセントになっていると表現するのが合っているように思います。チャーシューはしっかりめで食べ応えがあっておいしかった。ごちそうさまでした。
宮内 13:27 ⇒ 長岡 13:31
長岡 13:39 ⇒ 新津 14:34
長岡駅で新潟行きに乗り換え。長岡の名物は花火。昨年長岡に訪れたのは花火が目的でした。急に休みが取れたので、思い付きで行ったので有料観客席ではなく端っこの公園で見物しましたが、それでも楽しめました。花火の規模とレベルが桁違いでした。実際に見たから思うのですが、絶対に有料席で見た方がいいですね。多分もっと感動するはず。

信越線は新潟平野をまっすぐ走り抜けます。左右どちらの窓からも田んぼが果てしなく広がっていました。1月半くらいたつと田植えの時期になって、緑色で埋め尽くすのでしょう。
新津駅で羽越本線に乗り換えるため、途中下車しました。しばらく時間があるので、駅を見学します。新津も鉄道の拠点駅で、信越線、羽越線、磐越西線の3線が合流しています。SLばんえつ物語号の客車が止まってました。


羽越線は新津駅から秋田駅まで日本海側をすすむ路線。特急列車も走っていますが、ほとんどの列車が新潟駅から白新線を通って新発田駅から羽越線に合流するため、新津駅から新発田駅までの区間は列車本数がかなり少ないです。この区間が未乗車だったので、今から乗る列車が今日一番乗りたかった列車です。
新津 15:17 ⇒ 酒田 18:39
乗車する酒田行が今日最後の列車。GV―E400系気動車はJR東日本が既存の気動車を置き換えるために開発した車両。電気式気動車といって、ディーゼルエンジンで発電した電力でモーターを動かす仕組みになっています。乗った感覚は電車そのもので、気動車独特のエンジンの振動と音は無く、スーッと発車していきます。ちなみに、羽越線は電化されていますが、村上駅の北にデッドセクションがあるため、村上駅を超えて運転する列車は気動車か交直流電車での運転になります。デッドセクションの説明はこの後にします。

雨が降ってきて、帰宅する学生の利用が多くなり、2両編成のワンマン列車は次第に混雑に。帰宅時間にはちょっと早いので、部活動がまだ始まってない高校1年生でしょうか。ワンマン列車に乗りなれていないのか、扉が開かないと降りられず焦っている子もいました。それを周りの生徒たちが教えてあげていて、運転士さんも待ってくれているようでした。
乗車して1時間後、村上駅で大半の乗客が下車しました。酒田までまだ2時間かかります。この列車、結構なロングランとなります。
この駅の北に先ほど言ったデッドセクションがあります。電気には直流と交流の2種類があり、直流と交流の境目のことをデッドセクションと言います。歴史的には直流電化が最初に普及して、そのあとに交流電化が普及しました。日本各地の路線を少しずつ電化していった結果、デッドセクションという境目ができたのです。直流と交流ではそれぞれにメリット・デメリットがあるので、コスト面や地域の特性で使い分けているという理由もあります。

その「デッドセクション」を通過すると、日本海が見えてきます。ここは日本有数の夕日スポット。ここで夕日の絶景を写真に収めようと狙っていましたが、残念な天候となってしまいました。まだ、雨が上がってくれただけでも良かったと思いましょうか。海に突き出た岩場がたびたび現れて、荒々しい景色がしばらく続きました。



鼠ヶ関駅到着手前で、新潟県から山形県へ。ついに東北地方に突入です。その後もしばらく海岸線を走り、小波渡駅から内陸に進路を変え、庄内平野を進み鶴岡駅に到着。この辺りで一番大きな駅で、再び大量の学生が乗り込んできました。車窓は完全に闇に覆われ、スマホの電池も残りわずか。おまけにお尻や腰が爆発寸前。終点までの3駅くらいがきつかった。

終点の酒田駅には定刻通りの到着。今日はここで終了です。駅前すぐのホテルを予約しています。ガラス張りのおしゃれな建物が目を引きます。


よく見るとその中は市の図書館でした。ホテルは同じ建物内にある「月のホテル」。図書館の本をホテルでも読むことができるそうです。
さあ、ご飯を食べに行きましょう。

夜もラーメンをいただきます。新潟と山形は共にラーメン大国で、消費量の1位2位を争う間柄です。それを知って、今日は2食ともラーメンにしようと決めていました。ホテルから近くて、営業していた「中華そば雲ノ糸酒田店」に入店し、ワンタンメンの味玉トッピングを注文しました。
魚介スープに太麺で食べ応えがあり、ワンタンがつるつるであっという間に無くなりました。疲れた体に沁みます。ごちそうさまでした。

コンビニでお酒とつまみを購入し、部屋に戻って晩酌タイム。体調が戻ってきて、ようやく旅の楽しみを全うできました。
明日は本州走破のち、北の大地へ。
~5日目に続く~
コメントを残す