日本最西端の駅から最東端の駅へ行ってみる (その2)

別府湾を出港!

2日目 武雄温泉(佐賀県)~ 別府(大分県)

2025年4月6日(日)

武雄温泉 8:26 ⇒ 鳥栖 9:35

昨日と続いて晴天の2日目。九州を横断し大分県を目指します。
今日からは青春18きっぷを使って、普通列車の旅です。
いつか日本縦断するならこの切符を使いたいと思っていました。
今回は5日間用を購入。一日当たり2410円でJR全線の普通・快速列車が乗り放題になります。最近になって、使用開始日から連続使用の条件ができたので、不便になったとの声があるそうですが、自動改札が通れるようになったのは朗報だと思っています。
8年ぶりに18きっぷ使っての旅なので楽しみです。腰がヤラれないかがちょっと心配ですが、行ってみましょうか!

吉野ケ里 車窓

佐賀駅を過ぎると車窓に吉野ケ里遺跡が見えてきます。
(わかりにくくてごめんなさい。)

鳥栖駅1 817系
鳥栖駅2

佐賀市付近の長崎本線は直線が多く、普通列車でもスピードが出る区間です。疾走感がたまりません。
鳥栖駅は長崎本線と鹿児島本線という幹線が合流するので、古くから鉄道の拠点です。周辺の拠点駅が続々と新しくなる中で、ここだけは変わらず昔の姿を守っています。
鹿児島本線に乗り換えます。


鳥栖  10:06 ⇒ 久留米  10:14
久留米 10:15 ⇒ 筑後吉井 10:53

鹿児島線で佐賀県から福岡県に突入。久留米駅で1分乗り換えを無事クリアし、久大線のディーゼルカーで目指すは筑後吉井駅。途中下車は青春18きっぷの醍醐味です。

筑後吉井1
筑後吉井2

駅から10分ほどで漆喰塗りの屋敷が並ぶ通りに到着。江戸時代の宿場町だそうです。どの建物も古いですが、きれいに整備されているため、壮観な眺めです。建物内はカフェや雑貨店などに活用されているようで、どこもおしゃれな雰囲気。男ひとりだと中に入る勇気がでませんでした…。

筑後吉井3
筑後吉井4

周辺の川には、大小様々なこいのぼりが泳いでいました。この風が実に気持ちの良いことで。


筑後吉井5 エキナカ
筑後吉井6 ホーム

筑後吉井 12:02 ⇒ 日田 12:26
街並みをサラッと見るなら1時間あれば回れると思います。ここでランチしてもよかったのですが、先を進みます。車窓には菜の花が見えました。

日田も歴史ある街並みが有名。その前にランチです。
駅から歩いて8分、日田焼きそばの有名店「想夫恋」の創業店へ。
麺を揚げ焼きするのが日田焼きそばの特徴。カウンター席の目の前に鉄板があり、そこで焼いてくれます。濃い目の味付けなので、卵と絡めて食べるのがおすすめです。ご飯と一緒に食べる方もいらっしゃいました。
以前、小倉駅にあった想夫恋で食べたことがあり、また食べたいと思っていたので来れて良かった。美味しかったです。

日田焼きそば 想夫恋

想夫恋の店から北向きに10分程度歩いていくと、日田を代表する観光スポットである豆田町の街並みが現れてきます。この日は日曜日で天気が良かったので、観光されている方で賑わっていました。しばらくこの辺りを何も考えず散歩してみました。昨日に比べてゆるゆるのスケジュールなので、頭がのんびりモードに。列車の時間が近いことを忘れてしまいそうなので、早めに駅に戻ります。

日田 豆田町

日田 14:39      ⇒ 由布院 15:53
由布院駅前BC 16:25 ⇒ フェリーさんふらわあ別府前 17:17(亀の井バス 交通系IC可)

日田駅
旧豊後森機関庫

久大線を大分方面に進む赤いディーゼルカーに乗車。日田は大分県ですが福岡県と隣接しているため、久留米方面への需要が多く、1時間に1~2本列車がありますが、大分方面は2時間近く空いてしまうことがあります。

列車が少ないところは、大抵車窓に富む区間と言えます。日田を出ると程なくして山が迫り、渓谷沿いを進みます。天ケ瀬駅周辺は渓谷沿いの温泉街を見ることができます。
豊後森駅を出ると、進行右手に扇形の機関庫が見えてきます。蒸気機関車全盛の時代には、多くの機関車が並び、鉄道関係者も数多く働いていたものと思われます。使われなくなって久しいので、窓ガラスが割れているところもありますが、あえて朽ちた状態のまま保存してあるそうです。いつか降りて見てみたいです。

由布院駅 ホーム
由布院駅前 由布岳

豊後森からも一つ峠を越えて、視界が開けてくると、進行方向正面に由布岳が圧倒的な存在感で見えてきます。
由布院駅に到着。バスに乗り換えるために、ここで途中下車します。ホームには信号の3色に揃った列車が並ぶ、シャッターチャンスが到来。駅を出ると真正面にそびえる由布岳が見え、そのインパクトは絶大です。

さて、青春18きっぷで別府に向かうには、先ほどの列車で大分に行き、さらに日豊線に乗り継げばいいのですが、あえてバスで別府を目指します。その理由は2つあります。
1つ目は、別府である乗り物に乗り継ぐからです。そのあるものは、フェリーです。別府港から「さんふらわあ」に乗り、一夜を明かしながら、一気に大阪まで行ってしまおうという計画を立てました。由布院駅から出ている別府駅行きのバスは「さんふらわあ」のりばまで直接行ってくれます(一部時間帯を除く)。あと、由布院~別府間は鉄道よりも道路のほうが直線的に結んでいるため、バスのほうが到着が早いのです。

やまなみハイウェイ

2つ目は、景色が素晴らしいからです。別府へ向かう峠道は、由布岳のそばを通ります。山肌が草に覆われているだけなので、とても荒々しい景色です。この区間だけ外国に来たみたいに感じられます。時間を節約しながら観光もできるなんて、我ながらいい作戦を思いつきました。

ゆふりん号1
ゆふりん号2

「ゆふりん」号というこのバスは、別府ロープウェイや鉄輪温泉といった観光地を結んでおり、その他のバス停は通過していくので、観光客に特化したバスと言えます。あと、バスのラッピングがかわいいです。


別府港 18:45 ⇒ 大阪南港 6:35(さんふらわあ むらさき)

さんふらわあに乗るには、ターミナルの受付で乗船券を買うこともできますが、当日は予約で埋まっている可能性が高いので、1か月前くらいにネットで予約していきました。乗船当日にメールにQRコードが送られて、それを乗船の改札で使用するのですが、なぜかQRコードが出せなかったので、受付で発券してもらいました。快く対応していただきました。乗船1時間前にはターミナルに着けるようにしたほうが良いです。

さんふらわあ むらさき 別府港

ターミナルからは全景が見えないので、ちょっと離れてさんふらわあを撮影。夕日に照らされる巨大な船体を見るだけで、テンションが上がってきました。

さんふらわあ ロビー

ボーディングブリッジを歩いて、いざ乗船。真っ先に見えるロビーの豪華さに感動。初めて乗船した人の多くが、ホテルとかショッピングモールみたいだと思うでしょうね。私もです。
「さんふらわあ むらさき」は2023年にデビューした新造船。見た目も設備も令和スタイルになって、快適性は申し分なしです。

さんふらわあ 船室通路
さんふらわあ プライベートシングル

私の部屋は、ロビーの階段を一つ上がった7階のプライベートシングルという部屋で、個室になっています。扉はアコーディオンカーテンで鍵が内側からしか掛かりませんが、このエリアに入る扉がQRコードで解錠するオートロック式になっています。貴重品は持参するか、コインロッカー(100円返却式)を活用したほうが良さそうです。
周りの音は、全く気にならなかったし、揺れもごくたまにある程度で、ほんの少ししか感じませんでした。テレビもあって、船内チャンネルでは航路と現在位置を表示してくれるものがありました。地デジ放送は映ったり映らなかったりしました。海上にいますからそこは仕方ないですね。ケータイの電波は部屋の中まで届きませんので、ロビーやレストランで使うようになります。WI-FIもありますが、つながりにくいようです。

別府湾

別府港を出港してしばらく経ったタイミングで甲板に出てみます。ちょうど日が落ちて、遠くに街の明かりが見えました。船が港から離れていく瞬間は、いつまでも見ていられる光景です。どんな人の心情にも寄り添えられるように感じます。
お風呂に入ってから甲板に来ると最高です。風はずっと強いので、5分居たら十分涼めます。それ以上居たら寒いかも…
お風呂はビジネスホテルにあるような規模の大浴場が男女別にあって、湯船からも海を眺めることができます。洗面台やロッカーも新しいので設備は申し分ないです。ただし、人が多いときに入ると、スペースがやや狭いので、入口にある混雑状況の表示を確認して入ったほうが良いかと思います。

さて、レストランに行ってみましょう。体験してみて個人的には一番の感動ポイントでした。
夕食と朝食がいずれもビュッフェスタイルで提供されるのが特徴です。今回は夕飯のみを利用しました。和洋中、肉、魚、麺…様々なジャンルをしっかり押さえたラインナップで、どれ食べてもおいしくて、もう素晴らしい。お刺身が特においしいと感じました。新鮮だし、厚みがあって満足感があります。欲張って三回お代わりしてしまって、お腹パンパンに。

デザートにはアイスクリームやチョコレートフォンデュまであるので、楽しみが尽きません。飲み物もソフトドリンク飲み放題で、別料金ですが、お酒もあります。が、もう私はデザート手前で限界を迎えてしましました…残念です。
料金は、大人2500円でした。正直額面だけ見ると高い金額だとは思いますが、このクオリティなら納得です。ごちそうさまです。
座席は豊富にありますが、空いていれば窓側に陣取ると、朝は景色を見ながら優雅に食事を楽しめるでしょうね。

さんふらわあ プロジェクションマッピング

レストランを出ると、ロビーで船内を紹介するプロジェクションマッピングが行われていました。
単なる移動手段だけでなく宿泊施設にもなっていて、乗ること自体に楽しんでもらおうとする気持ちが伝わってくる大変素敵な乗り物だと感じました。都市部のホテル料金並みの運賃で別府~大阪を移動できてしまうのは、本当にコスパが高いです。(※4月6日のプライベートシングルは¥14,540でした。)

今日はさんふらわあに乗るミッションがあったので、ゆるゆる日程でしたが、3日目は早朝の大阪から怒涛の乗り継ぎラッシュが待っています。

~3日目に続く~

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です