3日目 大阪南港(大阪府)~ 長野(長野県)
2025年4月7日(月)
早起きしなければという真面目な意識が強く、目が覚めたのですが、体はまだ眠り足りない様子。元来早起きが得意ではないので、少しつらい朝になりました。朝風呂をして体を覚ますことに。5時台にもかかわらず多くの方が利用していました。湯舟につかると、水面を静かに進む抜けてゆく大阪湾を一望できました。
朝食は食べる気にならなかったのですが、一応昨日買ったプリンを口にしました。由布院駅前で購入した「地卵はちみつプリン」。たまごの味がしっかりあって甘さ控えめでスルッと食べられました。
下船時間が近づくと、乗船口に列が出来ていたので並ぶことに。ロビーの椅子にも多くの方が集まっていました。車で下船する人とは降りるところが違うようでした。やや混雑していましたが、わりと早く下船出来ました。
トレードセンター前 6:58 ⇒ コスモスクエア 7:01(OsakaMetro)
コスモスクエア 7:06 ⇒ 弁天町 7:14(OsakaMetro)
3日目も晴天。天候に恵まれてます。
港最寄りのトレードセンター前駅からは大阪メトロのニュートラムに乗車。
臨海部を走る新交通システムで、車輪がタイヤになっているのが特徴です。ニュートラムの車両は、車両前面部がキュートなお顔をぜひ見てほしいです。
出発すると、港の倉庫やクレーンが見えてきますが、すぐに地下に潜ってコスモスクエア駅に到着。ここで中央線に乗り換えます。中央線は普通の地下鉄ですが、大阪・関西万博も会場最寄りの夢洲に迎える唯一の鉄道路線です。この日は万博開催前でしたので乗客はまだ疎らでした。ちなみにニュートラムも地下鉄も同じ大阪メトロなので、改札を出ることなく乗ることができます。
中央線の臨海部は地下鉄ですが高架区間があります。弁天町駅はJRの高架よりも高い位置に作られているのが特徴です。新型車両に乗ることができました。
弁天町 7:22 ⇒ 大阪 7:30
大阪 7:47 ⇒ 草津(滋賀県) 8:42
弁天町からはJRに乗るので、青春18きっぷの使用を再開します。この時間から既に多くの通勤通学客がいました。自動改札を通れるのは混雑するときに助かるなと思います。以前は有人改札で駅員さんに切符を見せる必要がありました。
弁天町駅を通る大阪環状線は、東京の山手線と同じ環状運転する路線ですが、一周運転して奈良や和歌山に向かう列車も混ざって運転されるので、山手線と異なり様々な種類の車両を見ることができますし、環状線内を快速運転する列車も運行されます。
列車案内板を見ると、朝ラッシュの時間はさすがに環状運転する各駅停車タイプばかりでしたね。複雑な運行体系なので「初見殺し」と言われているらしいですが、大阪のごちゃごちゃしたイメージの一つだと思えば、楽しめそうです。
昨日のんびり散歩していた時と、今朝の大都市大阪の通勤ラッシュで、緊張と緩和の乱高下を感じました。体がフワフワ浮いていると言うか、単なる寝不足なのかなあ…。
続いて乗るのは、JR西日本ご自慢の「新快速」米原行き。座りたいですが、入線した列車は超満員。乗るや否や反対側の扉まで人の波によって押し込まれます。
新快速は神戸線、京都線、琵琶湖線などを最高時速130㎞/hで走り抜ける関西のエース列車。停車駅も主要駅に絞られていますし、運賃だけで乗れるので、青春18きっぷの強い味方です。ただ、通勤客の強い味方(むしろこっちの方が主流)でもあるので、いつ乗っても多くの人が乗っている印象があります。
これに乗って一気に東を目指すのが今日のプラン。米原、大垣と東海道線を乗り継いで昼前までに名古屋に着き、名古屋メシにありつきたい…と計画していました。列車は快調に飛ばし、気づけば京都駅到着のアナウンスが流れました。この列車は湖西線を行く敦賀行きを連結して運転していたので、ここで切り離しを行うそう。日本最長のホーム、京都駅0番線にて行われる珍しい”イベント”を観たかったのですが、体が限界に。車酔いみたいに気持ち悪くなってしまいました。自覚はしておりましたが、満員列車に乗ったことでガマンの限界に達してしまいました。
今すぐ降りて休憩しようとも考えましたが、乗らなきゃいけない列車が今後の予定に入っており、進まないといけないという思いとで葛藤しましたが、やっぱり途中下車することにしました。
降りたのは滋賀県の草津駅。時間帯もラッシュが終わっていく頃でした。
過去にあったかい食事を採ると良くなることが多かったので、今回もそう考えました。地図アプリで調べた駅前すぐの牛丼チェーン店に入店。
豚汁を胃に入ると、それまでの気持ち悪さが嘘のように無くなっていきます。朝食はしっかり食べろとはよく言われますが、松屋からも教えてもらった気がしました。ありがとう、松屋草津駅西口店。
草津(滋賀県) 9:47 ⇒ 柘植 10:30
さあこっからどうするか?
私の頭の中で、ある案が思いついていました。草津線に乗れないか、と。
草津線は私にとって未乗車区間で、これに乗っても名古屋まで乗り継いでいくことができます。ただし東海道線ルートに比べ時間が掛かるので、計画時は採用しませんでした。
こんな機会は無い!と、草津線ルートに方針転換。これによって、今後の列車が次の目的地まで4回連続乗り換えが確定しました。先ほどの新快速の車内で草津線ルートが浮かんでしまったんですよね。未乗車区間はつぶしておきたい…乗り鉄の性が出ましたね。しかしこの決断が新たな試練を生むことに…。
列車までの時間で、草津駅周辺を観光しました。
10分くらいで草津川跡地の公園へ。新しい川を作ったことで必要なくなった川の跡を公園にした珍しいスポットです。しかも天井川といって、街の高さよりも高い位置を流れる川だったので、列車は現在でも旧川の下を通っています。
桜がベストコンディションで咲いていました。
草津線の電車は223系2500番台。国鉄型の113系や117系がいるイメージでしたが、JR世代の車両に置き換わっていました。草津線は全線単線ですが、沿線に住宅が多く、結構需要がある路線。車窓は単調ですが、貴生川駅で近江鉄道と信楽高原鉄道が合流し、それぞれの車両を見ることができます。
柘植駅では忍者が伊賀へ行くように仕向けてきますが、私は名古屋方面に。忍者なら1番線へ行くべきでしょうね。柘植駅の手前で三重県に入っています。草津線沿線の滋賀県南部の甲賀と三重県の伊賀は忍者の里です。
柘植 10:40 ⇒ 亀山 11:03
亀山 11:24 ⇒ 名古屋 12:35
柘植からは、関西本線の気動車2両編成に乗ります。関西本線は、大阪・奈良近郊では大和路線の愛称で知られています。京都府の加茂から先の亀山までは需要が少なく、電車ではなく気動車で運転され、極端な格差を感じる路線ですが、通勤電車からいきなりローカルな雰囲気になる面白さがあるので、ぜひ体感してほしい路線です。
車内はカーテンを閉めている人が多く、景色は隙間からちらりと見ることにします。他人の邪魔になることはしないのが、乗り鉄の流儀だと心がけています。
亀山駅でさらに関西線の列車に乗り換えます。この駅はJR西日本とJR東海の境界になっていて、ここから名古屋の都市圏に入っていきます。乗り換えるのは313系電車。東海地区では非常によく見る形式です。
青春18きっぷは、JRの各会社をまたがって乗ることができる大変貴重な切符で、同じJRと言えでもお得な切符の類で境界を超すのは意外と少ないです。ICカードも境界を超える利用ができないことが多く、亀山駅もその対象になっています。
313系は非常に乗り心地が良い車両。クロスシートで背もたれが高く、居住性が高いのが特徴です。四日市を過ぎ、気づけば寝ていました。
目が覚めると桑名駅に到着していました。寝ぼけながら木曽川の橋梁を渡るシーンを撮影。ここでついに愛知県へ突入。
名古屋 12:42 ⇒ 中津川 14:06
中津川 14:14 ⇒ 奈良井 15:52
12時半を過ぎてようやく名古屋に到着。本来ならランチタイムですが、その時間は無く、次の列車へ。中央本線の区間快速で中津川を目指します。この日本縦断では、東京を通過しない方法で目指すことにしました。
新型の315系電車は、初乗車の車両。ロングシートですが、座面にくぼみがあり、座り続けても疲れにくいかなと感じました。
名古屋駅で発車を待つ間、きしめん屋からいいダシの香りが車内に。そそられますが、ここは時間の都合で断念。先に行かなければなりません。この先の列車の本数が少なくなるからです。
金山駅で乗客が大量に乗り込んでくると、鶴舞、千種、大曽根の各駅で、立ち客が入れ替わりながらも満員に近い状態で列車は北上。景色も見れず、目をつむっていると気づけば夢の世界に。高蔵寺駅で目が覚めると、ほとんどの乗客が降りてガラガラになっていました。
トンネルが連続する多治見までの区間では、わずかな時間渓谷の景色が見えます。この辺で岐阜県に入っています。中津川までは線形がいいので、普通列車でも130㎞/hを出すこともあります。里山の風景をぶっ飛ばして駆け抜けていき、中津川まであっという間に感じました。
中津川からは313系の2両編成に乗り換え。一気に編成が短くなります。中津川から塩尻までが中央線の難所区間で、14:14発を逃すと次の松本行は16:56なので、2時間半以上空くことに。この度全体の行程と体力を考えたうえで、この14:14発を逃すわけにはいきませんでした。
景色は中津川から先は木曾川が寄り添ってきます。落合川駅手前には桜とのコラボレーションを望めます。
南木曽駅では外国人が大量乗車し、一気に満員に。旧中山道の妻籠宿や馬籠宿を観光した帰りだと思われます。言葉はわかりませんが楽しくおしゃべりをする人や木曽路の渓谷の風景を眺めて楽しむ人、疲れ切って眠っている人など様々で、それぞれの形で旅を楽しんでいると感じられました。
賑やかな車内で、ひっそりと私は渓谷や山の景色を写真に撮って楽しむことに。上記右の写真は名勝「寝覚の床」。私の指が反射して映り込んでしまってます。窓ガラス越しの撮影は難しいですね。どうやったらうまくいくものでしょうか?
奈良井駅には16時前に到着。奈良井宿を見るため、昼飯を抜くことにしましたが、何はともあれ来れて良かった。今日のメインイベントは奈良井宿に行くことに前から決めていましたので、意地になりました。
駅から出て左に進むとすぐに宿場が見えるのですが、あまりにも雰囲気が良くて、「江戸だ…」と心の中でつぶやきました。前日訪れた筑後吉井や日田の豆田町も素晴らしいですが、景観だけで比べるとちょっと格が違うなと。
木造の建物が連続して道の両脇に揃って残っているところってそうあるものでは無いですよね。まちの人々の暮らしがあり、時代が進むにつれての建築技術の進化がある中で、現代のつくりの建物がどっかに出てきても当然なのですが…。
木曽路の深い谷が夕暮れを早めていて、宿場町の旅情を一層引き立たせてくれます。平日で時間帯的にも人が少なく、絵になる光景を前に写真が多くなっていきました。
奈良井駅も宿場に寄せたつくり。観光地ですが特急列車は止まりません。普通列車で訪れるのが似合う駅、そして街並みでした。
奈良井 16:57 ⇒ 塩尻 17:21
塩尻 18:07 ⇒ 長野 19:32
今日の目的地は長野駅。南木曽あたりで長野県には入っていますが、長野駅まではまだ2時間半程度かかります。この時間になってさすがに空腹が耐え難くなってきました。塩尻で下車。ここには名物の駅そばがあります。
え、待って…
閉まっていました。17時閉店だそう。前もって調べるべきだった…。
疲れと空腹とで頭が働きません。おまけにちょっと寒い。長野に入ると気温が違いましたね。リュックに詰めていたジャンパーを出して着ます。
駅のコンビニでお菓子を買い、待合室で食べて空腹をしのぎます。列車の待ち時間内で飲食店に行くのはリスキーと判断しました。1本逃すと1時間遅くなるし、洗濯したいので早めにホテルに着きたいし…。
これまでにもいっぱい旅をしてきたので、アクシデントも比例して経験してきたと思っておりましたが、これほど体力を削られたことはありませんでした。列車に乗った本数でいうと、この日が最も多かった。修行と言っても差し支えありません。(楽しいのは間違いないのですけどね…)
塩尻からは長野行きの211系。国鉄時に作られた車両で、写真のはJR東日本の車両です。塩尻駅はJR東海とJR東日本の境界駅。今日は2回も境界を越えていったことになります。
長野駅に近づくごとに乗客が減っていき席が空いてきましたが、私は立っていました。席に座るのがつらいのです。
19時32分、定刻で長野到着。とにかく早くごはんを食べましょう。それしか考えられません。駅ビルのレストラン街へ。そこでソースカツ丼の店を発見。駒ケ根市の有名店である「明治亭」でした。
蓋が本来の意味を成さないほどカツが分厚く、千切りキャベツがモリモリ。写真を撮ったら秒で食しました。もう最高。
ソースが甘めですが、キャベツと一緒に食べることで、食べ飽きることがありません。最後までサラッとイケます。ちなみに、蓋はカツをよけておく皿代わりに使うそうです。食べる前に店員さんが教えてくださいました。確かにカツをよけないとごはんを食べるのが難しかったです。
今日は試練があり、しんどい思いをしましたが、おいしいご当地グルメで締めれてよかった。ごちそうさまでした。
長野駅から今日の宿へ。
駅から10分くらいのホテルナガノアベニューに宿泊しました。建物のつくりは古めですが、お部屋のリフォームをしているのか、新しいホテルと遜色ない快適なホテルでした。大浴場もランドリーもあるので助かりました。
ゆっくりできそうです。
~4日目に続く~