カテゴリー: 東北

  • 日本最西端の駅から最東端の駅へ行ってみる (その5)

    日本最西端の駅から最東端の駅へ行ってみる (その5)

    5日目 酒田(山形県)~ 八戸(青森県)

    2025年4月9日(水)

    日本縦断は目的地までの道中を楽しむことができるかどうかがポイントです。疲れが残っていますが、自分が好きでやっていることなので、楽しまないと損。と、言い聞かせて今日もスタート。

    月のホテル 朝食

    「月のホテル」の朝食バイキングで元気をもらいました。地元庄内産のごはんはとてもおいしかった。


    酒田 7:56 ⇒ 秋田 9:41

    最初の列車は羽越線の701系秋田行き。東北地方の在来線でよく使われている車両です。ロングシートのイメージが強いですが、乗車した車両はボックス席もあるタイプでした。こっちの方が車窓が見れるので、ボックス席やクロスシートの方につい座ってしまいます。

    701系 車内
    鳥海山 見えず

    進行右手に鳥海山が見えてくるはずでしたが、厚い雲に隠れてしまってました。山裾の稜線が山体の大きさを物語ってます。鳥海山の大きさと均整の取れた形が存在感抜群で印象的だっただけに、残念です。

    羽越線 曇りの日本海

    庄内平野を離れると、再び海岸線を列車は走ります。羽越線は海沿いを走ってくれる区間が多いですね。いつの間にか秋田県に入っていました。

    風力発電の風車
    象潟の車窓

    羽越線に乗っていて思うのは、発電用の風車が多く見かけることです。他路線よりも線路に近いところに立っている確率が高いような気がします。
    この日は天気が回復している最中だったからか、よく回っていました。

    羽越線の車窓のメインは海景色ですが、たまに山側も見ると面白いです。先ほどの鳥海山ともう一つ注目したいのは、象潟です。象潟駅を出発してしばらくすると、進行右手に田んぼの中にいくつもの小さい丘が現れるのですが、かつては島でした。江戸時代の中頃までは景勝地として有名で、「東の松島、西の象潟」と並び称されていました。1804年の巨大地震で入り江だったところが隆起し陸地化されて、現在の風景になったそう。
    列車に乗ってみると数分で通り過ぎてしまいますが、見逃さないでいただきたい光景です。


    秋田 9:44 ⇒ 大館 11:28

    酒田から1時間45分で秋田駅に到着。到着ホームの向かい側には続いて乗る列車が待っていました。羽越線から奥羽線に乗り換えです。奥羽線は福島駅から山形県の内陸側を通って、秋田、青森を結ぶ長大な幹線。秋田駅からは日本海側を通りますが、奥羽線から海を眺められるところは無く、田園地帯を通ります。車両は再び701系。今回はオールロングシートでした。

    701系
    奥羽線 八郎潟付近

    ロングシートは景色と座っている人が重なるので、基本的に景色を見るのに気を遣ってしまいがちです。いつもだと毛嫌いしてしまうのですが、空いている時間帯では関係ありませんでした。おかげで701系の窓が大きくて眺めがいいことに気づけました。
    窓から見えるのは、果てしなくつづく田園地帯。八郎潟の干拓地付近の様子です。かつてここには日本第2位の面積を誇る湖が広がっていましたが、昭和の大規模な干拓事業により、ほとんどが埋め立てられました。今では秋田県内有数の米どころです。湖があったらどんな景色だったのか見て見たかったですね。

    東能代駅では五能線に乗り換える方が降りていき、車内はガラガラに。五能線は日本海沿岸を回って青森県に向かう日本屈指の絶景ローカル線。平日ですが、観光での利用と思われる方が多くいらっしゃいました。私は奥羽線に引き続き乗車。奥羽線はこの先さらに内陸部に入っていき、この列車の終点である大館駅で途中下車しました。


    大館駅 ホーム
    とりびあん

    お昼ご飯を食べることにします。駅から5分歩いて「とりびあん」という飲食店に入店。列車の中で駅から近くて名物が食べられるところを探して決めてました。喫茶店メニューの中に、郷土料理もラインナップにありますよ、ってタイプのお店でした。比内地鶏の親子丼とみそづけたんぽを注文しました。

    みそつけたんぽと比内地鶏の親子丼

    みそつけたんぽは、コメを焼いたときの香ばしい香りと味噌の香りが相まって、食欲をそそります。きりたんぽはかなり粘りが強くて食べ応えがあります。素朴な味がいいですね。親子丼は、弾力のある鶏肉とふわっと玉子の対照的な食感が楽しく、だしの味付けもちょうどよい塩梅でおいしかったです。お店の雰囲気も居心地よく、初見の観光客も優しく迎えてくれる素敵なお店でした。

    駅前に戻って、観光します。大館は秋田犬「忠犬ハチ公」のふるさとで、秋田犬の里という観光施設が駅の真ん前にあります。ハチ公像の見つめる先は大館駅になっています。次の電車までの時間で見学しました。

    実際に秋田犬が見学できるコーナーもあります。この時見ることができたのは3匹でした。

    係りの方と一緒に遊ぶ姿や寝ている姿などをガラス越しに見学できます。自由に見学できるので、気楽に過ごせるし、いつまででも眺めていられます。嫌なことがあったとき、メンタル的にまいったとき、ぜひ訪れてみてください。

    屋外には鉄道好きにはたまらないスポットがあります。かつて渋谷駅前にて保存展示してあった東急電鉄の5000系車両が、ここに移設され展示しています。ハチ公のつながりがここにもありました。
    秋田を堪能できるスポットが駅前に充実していて、日本縦断旅にはうってつけの場所。天気も回復して、心地よい風が吹き抜ける芝生の広場のベンチで時間まで休憩しました。

    元東急5000系 外観
    元東急5000系 内部

    大館  13:20 ⇒ 大鰐温泉 14:29

    この旅では長めの2時間滞在を終え、奥羽線で北上します。大館を出るとすぐ峠越えに入ります。矢立峠は青森県との県境で、きつい勾配でSL時代は鉄道の難所でしたが、701系電車は軽快な走りで超えていきます。峠のど真ん中にある陣場駅では、辺り一面に雪がまだ残っていました。

    陣場駅

    青森県に入って勾配を下ってゆくと、大鰐温泉。途中下車し温泉に入ることにします。駅前にはワニがⅤサインしている像があります。
    ここには10年ほど前に訪れたことがあり、駅からすぐに温泉施設があるのですが、とても良い印象を受けていたので、再訪しました。

    大鰐温泉 鰐come

    大鰐町の「鰐come」という複合施設の中に日帰り温泉があります。温泉のほかに食事処や産直センターがあるので、特産物も購入可能です。
    ここの良いところは、設備がキレイなところと露天風呂です。出来てから結構時間がたっていると思いますが、古さを感じませんし、脱衣所や洗い場も十分広くスペースがあるので、快適に利用ができるかと思います。露天風呂も広く作られ開放感があり、たまに列車の走行音が聞こえてきます。青空の下、湯船につかりボーっとするのがおすすめです。施設の方も感じが良く、利用者もマナーを守る方が多い印象で、とても利用しやすいです。

    1時間、しっかり大鰐温泉を満喫し駅に戻りました。この駅はJRの駅舎の横に弘南鉄道の駅舎があるので、見てみることに。

    大鰐温泉駅 1

    弘南鉄道は弘前市周辺の街を結ぶ地方私鉄で、大鰐駅から中央弘前駅までの大鰐線と弘前駅から黒石駅までの弘南線があります。大鰐線は利用減少にともない2027年度末に運行休止が発表されました。来訪する機会が今後無いかもしれないので、写真による記録をしました。

    駅の構内はJR側と共同になっているので、JRのホームに入ってこ線橋を渡れば弘南鉄道のホームに行くことができます。それなのに駅舎は別々にあるんです。
    事実上の廃止と言われているので、これで見納めになってしまうのはさみしい限りです。


    大鰐温泉 15:59 ⇒ 弘前 1611
    弘前   16:15 ⇒ 青森 17:04

    大鰐温泉駅 5

    大鰐温泉からも701系で奥羽線を北上します。弘前で乗り換え、西日射す車窓を観ながら終点の青森駅を目指していきます。影のように見えるのは弘前のシンボル岩木山。

    奥羽線 岩木山
    青森駅 駅名標

    新幹線が止まる新青森駅を過ぎると線路が左に急カーブを描き、行き止まり式になっているホームに停車。ついに青森駅までやってきました。かつてはこの駅から出ていた青函連絡船に乗り換えて北海道を目指していました。行き止まり式になっているのは、船との連絡を図っていた時の名残です。

    今回北の大地へと行く手段は”船”に決めています。
    しかし、ここから乗るわけではありません。そこまで移動します。


    青森 17:23 ⇒ 八戸  18:57(青い森鉄道)
    八戸 19:26 ⇒ 本八戸 19:34

    青森からは青い森鉄道に乗車します。JRではないので、通常は切符を購入する必要が出てきますが、今回乗る区間の場合は特例により、青春18きっぷのみで乗ることができます。
    青い森鉄道はJRの東北本線だった区間の内青森県内の区間を引き継いだ第三セクターの鉄道会社です。東北新幹線開通のため、並行在来線がJRから経営分離される際に誕生しました。新幹線と並行のJR東北本線がその対象になりましたが、並行とみなされない八戸線などはJRのまま運営されています。八戸線は接続しているJR線が東北本線だけだったので、青春18きっぷを使用するには必ず別会社の路線を乗る必要が出てくるため、救済措置としてJR相互を乗り継ぐ場合に限り、青春18きっぷのみで青森~八戸間を通過してもよいことになっています。

    青い森鉄道 浅虫温泉駅付近

    話が後になっていましたが、今回乗る船は八戸から出ている「シルバーフェリー」です。そのため青い森鉄道に乗車することになりました。

    帰宅ラッシュで車内は満員。混雑が収まった浅虫温泉駅から車窓を観れました。ちょうど陸奥湾に夕日が落ちていきます。
    すっかり夜になってしばらく闇の中を進み、八戸駅に19時前に到着。ちなみに乗った車両は元701系でした。JRから譲渡されたものです。今日乗ったすべての電車が701系でした。

    八戸駅 ホーム

    しばらく待ち時間があるので、一旦改札を出てみます。果たして出られるのでしょうか?
    青春18きっぷを自動改札に通すと…
    切符が出てきました!降りられるようです。
    青森駅と八戸駅ならば、途中下車が可能のようです。が、出来るかどうかやってみるまで不安でした。詳しい切符のルールはネットで調べられるので、みなさんも乗るときはご確認お願い致します。

    本八戸駅 ホーム
    本八戸駅 外観

    八戸線に乗り換え、本八戸へ。八戸駅から市の中心部までは結構離れていて、本八戸駅が最も中心街に近い駅です。八戸線は非電化路線で、気動車はキハE120系500番台の2両編成。この列車も満員でした。
    この駅で降りたのは、おいしいものをたべるため。さあ、ご飯の時間です。

    サバの駅 外観

    あらかじめ探しておいたサバ料理を食べられる店に入店。繁華街のビルの1階にあり、辺りは呑兵衛のオアシスといった雰囲気。

    銀さばトロ漬け丼

    名物と紹介されていた「銀さばトロ漬け丼」を注文。大と中がありましたが、お店の人にしっかり食べられる方には大をおすすめしますとのことなので、大を注文しました。居酒屋だったので、中だと量が少ないらしいです。〆に食べる用なのかも。
    味はとにかく美味い!これしか言葉が出てきませんでした。語彙力が欲しい。サバのうまみがすごいのと、酢飯の塩梅が抜群でご飯が進みます。
    これはすごくおいしいので、また食べに来たい一品でした。ごちそうさまでした。


    八戸中心街ターミナル三日町 20:45 ⇒ 八戸港 21:10          (南部バス 交通系IC可)
    八戸港 22:00 ⇒ 苫小牧西港 6:00

    南部バス

    「サバの駅」から近いバス停から八戸港に向かいます。いよいよ今日の「宿」のシルバーフェリーに乗船しようと思います。
    バスの運転手さんに、「フェリーに乗られますか?」的なことを聞かれました。おそらく乗り間違えて無いかを尋ねられたのでしょう。八戸港は市街地からちょっと離れたところにあるので、親切にも確認をとられたんだと思います。乗っていた乗客は三日町のバス停で皆降りていき、僕だけになりました。不安を感じましたが、本八戸駅からも一人乗ってこられたので少しだけ安心出来ました。その方も同じ質問をされていました。

    シルバーフェリー 外観

    バスはどんどん市街地から外れていき、倉庫や工場が多い地帯を進み、八戸港のフェリーターミナルに到着。闇の中に白い船体が街路灯の光で浮かび上がっています。
    予約を事前にしていたので、自動チェックイン機で手続きし、すぐに乗船可能に。売店で飲み物を購入し、いざ乗船へ。

    シルバーフェリー 廊下
    2等寝台A

    乗り込んだフロアは車両を積み込むエリアで、一つ上の階へエスカレーターで上がります。船の中にエスカレーターがあるのが驚きです。まずはお部屋に直行します。2等寝台Aを予約してました。寝るだけなので、これで十分でしょう。設備もきれいで、古さは特に感じません。2段ベットですが相席になることはありません。私は下のベットを使うことにしました。

    大浴場
    イートインスペース

    身支度を終えて、船内を探索します。先日乗船したさんふらわぁよりも派手さはありませんが、必要なものがコンパクトにある印象です。大浴場とオートレストランという自動販売機群が完備されています。私はイートインスペースで買っていた缶酎ハイとピーナッツで呑みました。お風呂は既に済ませているので今回は利用しませんでした。
    出航するとしばらく揺れを感じました。酔いが回っているのではなく、船の方です。瀬戸内海と比べると体で揺れを感じる回数は多かったですが、気分が悪くなるほどではなかったのですが、念のため酔い止め薬を飲んでおきました。
    明日も早いのでここで終わります。

    ~5日目に続く~

  • 日本最西端の駅から最東端の駅へ行ってみる (その4)

    日本最西端の駅から最東端の駅へ行ってみる (その4)

    4日目 長野(長野県)~ 酒田(山形県)

    2025年4月8日(火)

    アップルパイ 長野

    旅は4日目、ここから後半戦に入ります。昨日の夜は洗濯物があったので、結局寝付くまで時間が掛かり、6時半の目覚ましには何とか反応したもののベットから起き上がれず。いや、起き上がりたくない。
    苦手な朝のわずかな時間で食べられるのは、好物に限ります。私の場合アップルパイです。昨日長野駅のお土産売場で購入しておいたものです。
    7:45発の列車に乗るので、急いで身支度を整え、駅に直行しました。今日も晴れてます。


    駅に着いたのは発車の5分前。ここからはしなの鉄道に乗車します。ここから日本海側を目指すJR線は北陸新幹線しかなく、在来線はJRとは別のしなの鉄道に乗る必要があります。7:45発で妙高高原駅まで行き、えちごトキめき鉄道に乗り換えて、新潟県の直江津駅まで向かえば、再びJRに乗ることができます。したがって長野~直江津間は、別途切符を購入して乗ります。

    かつてはこの区間もJRが運行していましたが、新幹線が開通したことで、在来線は各自治体が運営する第三セクターによって運行するようになりました。日本縦断を青春18きっぷのみ使用をする場合は、おそらく東京経由を選択するようになると思います。

    長野駅 善光寺口

    長野経由を選択したのは、あまり行ったことがないところを通りたいのと、車窓が日本海側を通る方が良いと思ったからです。あと、できる限り青春18きっぷを使える区間を選ぶようにしたら、このルートになりました。

    練りに練った計画ですが、あくまで机上の話。昨日までに溜まった疲労までは考慮できてなかったですね。


    長野 8:05 ⇒ 上越妙高 8:28

    ホテルから駅までの道中で体調のことを考えました。旅はまだまだ続く、根室まで無事尽きたいので、今日は無理をしないでおこうと決めました。

    北陸新幹線E7系 はくたか号 

    しなの鉄道に乗ることは諦め、北陸新幹線で日本海側まで出ることにしました。
    もちろんお金はかかりますが、どちらにしても切符は買う予定だったと思えば悪くないです。

    当たり前ですが、座席の違いは明らかで、腰とお尻に非常にやさしく、リクライニングできるなんて!と感動してしまいました。
    計画してた時は、たびら平戸口駅をスタートしたら絶対に新幹線は使わないようにと決めていたのに、できなかった悔しさを感じながらも次第に座席の快適さの感動が上回り、どうでもよくなりました!


    上越妙高 8:44 ⇒ 高田 8:52(えちごトキめき鉄道 交通系IC不可)

    飯山駅からの長いトンネルを抜けると、妙高山の迫力ある雪景色が見えてきて、まもなく上越妙高というアナウンスが流れました。在来線で1時間半かかるところを20分ちょっとで着いちゃうんですから、新幹線のちからすごいわ。

    えちごトキめき鉄道に乗り換えるため、一旦改札を出ます。別会社なので改札が分かれているんです。ICカードは使えないので、券売機で切符を買います。

    上越妙高駅
    えちごトキめき鉄道

    目指すのは高田駅。上越市の中心地で、ここには桜の名所があります。乗車したのは元JR東日本のE127系で、えちごトキめき鉄道ではET127系と呼ばれています。車掌さんのハキハキとした点呼が印象的でした。


    高田駅

    高田駅から桜の名所までは15分から20分ほど歩きました。住宅街を超えると急に現れます。さくら名所100選の地、高田城址公園に到着です。

    高田城址公園1

    お堀の脇に幾本の桜が植わって、雪山との対比が春の訪れをより際立たせる絶景。私の地元では絶対に見ることができない景色です。

    高田城址公園はこの時期に約4000本のソメイヨシノが咲くそう。お城の規模は小さいながらも、規模に対して明らかに桜の量がとても多いと感じました。間違いなくここは日本でトップクラスの桜名所だと思います。
    屋台も結構な数出店していたので、お昼が近づくと人が増えていきそうです。私が訪れた9時くらいだとすいていました。

    高田城址公園5

    実は予定より30分早く着いたので、じっくりと桜の写真を撮ることができました。新幹線で来て正解でした。時間が迫るも最後までベストな画角を探して撮ったのが上の一枚です。どうでしょうか?


    高田  10:20 ⇒ 直江津 10:29(えちごトキめき鉄道)
    直江津 11:01  ⇒  宮内  12:27

    えちごトキめき鉄道に再び乗車し、終点の直江津駅に到着。高崎からのびる信越本線と米原からのびる北陸本線の分岐駅として古くから鉄道の拠点駅です。北陸新幹線ができる前までは、特急列車が頻繁に行き交う駅だったんです。

    直江津駅1
    直江津駅2

    現在でも特急しらゆき号が残ってますが、少数派で、普通列車が大半を占めています。長いホームを覆う屋根が国鉄時代の雰囲気を今に残しています。

    ここから乗り継ぐのはJR東日本の信越本線。青春18きっぷの使用はここからです。ホームには新潟地区の新定番E129系長岡行が待っていました。
    直江津から2駅先の犀潟駅までは北越急行線の列車も通る区間。小学生の時に「電車でGO!」のプロフェッショナル仕様に収録されていた路線で、ゲーム上では何度も見ていた景色。線路のカーブの感じとか森が見えてくるタイミングとか、リアルをしっかり取り入れてくれているんですよね。ここを通るのは人生で2回目。昨年初めて訪れたのですが、やっと来れたと思って、感動しました。広島県の住民にとって、新潟とか東北ってすごく遠くに感じる場所で、私にとっては憧れる場所です。

    柿崎駅からようやく車窓に日本海が見えてきて、しばらく海岸沿いを走ってくれます。ちょっと曇ってるのが残念ですが…。

    信越線 青海川駅付近

    青海川駅は海に近い駅として有名です。今回はスルーしますが、絶対に降りて見たい駅の一つです。その時は晴れてたらいいな。

    青海川駅

    海が見えるのは柏崎駅手前までで、長岡までは山越えの区間になります。とある駅にはまだ雪が残ってました。
    宮内駅で東京からくる上越線と合流して、列車は長岡に向かいますが、私はこの宮内駅で途中下車しました。お昼ご飯を食べます。

    駅出て真正面に渋い食堂が見えてきますが、これは「青島食堂」という長岡ラーメンの有名店。昨年長岡に来たことがあったのですが、ご当地のものを全然食べられずに帰っちゃったので、リベンジしたくこの店を選びました。

    青島食堂

    既に5~6人が列を作っていたので並んでいましたが、後から来た方が券売機で食券を買って並ばれていたので、私も見習わせていただきました。列を並び直しましたが、回転が速いので10分かからないくらいで着席出来ました。

    長岡生姜ラーメン

    せっかくなのでチャーシュー麺の大盛りを注文。女性2人で20人くらいいる客を捌いていて、大変だと思いますが、一つも無駄のない動きで流れるようにラーメンを提供していってました。長岡ラーメンは醤油スープに生姜が入っているのが特徴だそう。ちぢれ麵がおいしいですね。生姜がメインという感じではなくアクセントになっていると表現するのが合っているように思います。チャーシューはしっかりめで食べ応えがあっておいしかった。ごちそうさまでした。


    宮内 13:27 ⇒ 長岡 1331
    長岡 13:39 ⇒ 新津 14:34

    長岡駅で新潟行きに乗り換え。長岡の名物は花火。昨年長岡に訪れたのは花火が目的でした。急に休みが取れたので、思い付きで行ったので有料観客席ではなく端っこの公園で見物しましたが、それでも楽しめました。花火の規模とレベルが桁違いでした。実際に見たから思うのですが、絶対に有料席で見た方がいいですね。多分もっと感動するはず。

    信越線 新潟平野

    信越線は新潟平野をまっすぐ走り抜けます。左右どちらの窓からも田んぼが果てしなく広がっていました。1月半くらいたつと田植えの時期になって、緑色で埋め尽くすのでしょう。
    新津駅で羽越本線に乗り換えるため、途中下車しました。しばらく時間があるので、駅を見学します。新津も鉄道の拠点駅で、信越線、羽越線、磐越西線の3線が合流しています。SLばんえつ物語号の客車が止まってました。

    新津駅2
    新津駅3

    羽越線は新津駅から秋田駅まで日本海側をすすむ路線。特急列車も走っていますが、ほとんどの列車が新潟駅から白新線を通って新発田駅から羽越線に合流するため、新津駅から新発田駅までの区間は列車本数がかなり少ないです。この区間が未乗車だったので、今から乗る列車が今日一番乗りたかった列車です。


    新津 15:17 ⇒ 酒田 18:39

    乗車する酒田行が今日最後の列車。GV―E400系気動車はJR東日本が既存の気動車を置き換えるために開発した車両。電気式気動車といって、ディーゼルエンジンで発電した電力でモーターを動かす仕組みになっています。乗った感覚は電車そのもので、気動車独特のエンジンの振動と音は無く、スーッと発車していきます。ちなみに、羽越線は電化されていますが、村上駅の北にデッドセクションがあるため、村上駅を超えて運転する列車は気動車か交直流電車での運転になります。デッドセクションの説明はこの後にします。

    羽越線 GVーE400系

    雨が降ってきて、帰宅する学生の利用が多くなり、2両編成のワンマン列車は次第に混雑に。帰宅時間にはちょっと早いので、部活動がまだ始まってない高校1年生でしょうか。ワンマン列車に乗りなれていないのか、扉が開かないと降りられず焦っている子もいました。それを周りの生徒たちが教えてあげていて、運転士さんも待ってくれているようでした。

    乗車して1時間後、村上駅で大半の乗客が下車しました。酒田までまだ2時間かかります。この列車、結構なロングランとなります。
    この駅の北に先ほど言ったデッドセクションがあります。電気には直流と交流の2種類があり、直流と交流の境目のことをデッドセクションと言います。歴史的には直流電化が最初に普及して、そのあとに交流電化が普及しました。日本各地の路線を少しずつ電化していった結果、デッドセクションという境目ができたのです。直流と交流ではそれぞれにメリット・デメリットがあるので、コスト面や地域の特性で使い分けているという理由もあります。

    羽越線 笹川流れ1

    その「デッドセクション」を通過すると、日本海が見えてきます。ここは日本有数の夕日スポット。ここで夕日の絶景を写真に収めようと狙っていましたが、残念な天候となってしまいました。まだ、雨が上がってくれただけでも良かったと思いましょうか。海に突き出た岩場がたびたび現れて、荒々しい景色がしばらく続きました。

    羽越線 笹川流れ2
    羽越線 日本海車窓1
    羽越線 日本海車窓2

    鼠ヶ関駅到着手前で、新潟県から山形県へ。ついに東北地方に突入です。その後もしばらく海岸線を走り、小波渡駅から内陸に進路を変え、庄内平野を進み鶴岡駅に到着。この辺りで一番大きな駅で、再び大量の学生が乗り込んできました。車窓は完全に闇に覆われ、スマホの電池も残りわずか。おまけにお尻や腰が爆発寸前。終点までの3駅くらいがきつかった。

    酒田駅

    終点の酒田駅には定刻通りの到着。今日はここで終了です。駅前すぐのホテルを予約しています。ガラス張りのおしゃれな建物が目を引きます。

    月のホテル1
    月のホテル2

    よく見るとその中は市の図書館でした。ホテルは同じ建物内にある「月のホテル」。図書館の本をホテルでも読むことができるそうです。
    さあ、ご飯を食べに行きましょう。

    雲ノ糸 ワンタンメン

    夜もラーメンをいただきます。新潟と山形は共にラーメン大国で、消費量の1位2位を争う間柄です。それを知って、今日は2食ともラーメンにしようと決めていました。ホテルから近くて、営業していた「中華そば雲ノ糸酒田店」に入店し、ワンタンメンの味玉トッピングを注文しました。
    魚介スープに太麺で食べ応えがあり、ワンタンがつるつるであっという間に無くなりました。疲れた体に沁みます。ごちそうさまでした。

    雲ノ糸 外観

    コンビニでお酒とつまみを購入し、部屋に戻って晩酌タイム。体調が戻ってきて、ようやく旅の楽しみを全うできました。
    明日は本州走破のち、北の大地へ。

    ~5日目に続く~